築年別マンション修繕方法/1回目のポイント

その1

建物を新築時の状態まで
回復させる

●新築時の状態に回復するのが主目的

1回目の大規模修繕工事は築12年~15年程度で実施するのが一般的で、この間に生じた劣化箇所をきちんと直し、建物を新築時の状態まで回復させることが主な目的となります。

この時点でコンクリート内部にまで及ぶ深刻な劣化が発生しているケースは稀で、通常は外壁塗装、防水工事、タイル補修、鉄部の塗装、シーリングの打ち替えといった定番の修繕を実施します。

●環境によって発生する想定外の不具合も

ただし、湿気の多い地域や海沿いの地域、鉄道のそば、工場地帯など、環境によっては設計時に想定していなかった不具合が発生するケースもあります。

代表的な症状としては、結露や潮風によるサビ、鉄粉や煙、排気ガスによる外壁の汚れがありますが、修繕と同時に再発防止策を実施することできれいな状態を保ちやすくなります。

●状態を見極める経験や技術が重要

建物には個性があり、環境や使われ方によっても劣化の出方は変わるため、画一的な修繕プランは無駄な工事を生む原因になりかねません。そのため、施工を行う業者には状態をきちんと見極められるだけの経験や技術が必要になるのです。

ヤシマ工業は改修業界のパイオニアとして、首都圏5,000棟以上の建物の修繕を手掛けてきました。その知識と経験を活かし、お客様の建物1棟1棟の個性を大切にしたオリジナルの修繕プランを提案しています。

その2

プラスαの改修で新築時より
もっと快適なマンションへ

●住人の皆様の声を取り入れることが成功への第一歩

日々暮らしていく中で生じる「不便さ」を解消してくれる改修項目は、住人の方からの評価も高く、とても喜ばれます。一例ですが、

・階段の危険な段差を解消し、あらゆる世代に対して、安全な暮らしを提供。
・子育て家族が多いマンションでは、電動自転車の普及もあり、駐輪場の不足が問題。そこで駐輪スペースを見直すことで使いやすさを改善。見た目も整う。

修繕を計画する際は、このように住人の皆様の声を取り入れることが、満足度の高い工事につながるポイントです。ヤシマ工業では住人の皆様への配慮や建物の特性を見極めながら、時代に合った快適なマンション改修をご提案します。

その3

将来に備えた資金準備が重要

●経年に応じた工事計画が重要

築年数が浅いマンションでは、まずは「劣化を進行させない」ために必要な工事を中心に実施するのが一般的です。

マンションは経年によって、直さなくてはいけない箇所が増え、修繕費用は高額になっていくケースがほとんどです。したがって、資金を目の前の工事に全て使ってしまうのではなく、必要な工事を実施したら、残りは将来に蓄えておくのはとても賢い選択です。こうした資金計画への考え方は20年、30年先に管理組合の収支に大きな差を生みます。

ヤシマ工業は「絶対に今やるべき工事」と「後に回しても大丈夫な工事」をしっかり見極めて工事計画をご提案します。さらに将来への準備となる長期修繕計画の企画・立案もサポートしています。

その4

コミュニティ作りの
ビッグチャンス

●共通の目標による強い連帯感も

1回目の大規模修繕は管理組合様として初めての大型プロジェクトです。普段はまるで馴染みのなかった住人の皆様が集うこのタイミングこそ、コミュニティ作りのチャンスです。

「住まい」という共通の話題で会話が弾み、お互いに協力して乗り越えようという連帯感が芽生えます。また理事に限らず、住人の皆様の参加を広く呼び掛けるなど工夫を凝らすことで、マンション全体の一体感も作り上げることができます。

●管理組合様の運営能力も向上する

多くのマンションでは組合内部の意思決定やコミュニケーションが大規模修繕を境に格段に良くなります。管理組合様の運営能力は、今後、建物を維持する上でも大きな差となって現れますので、ぜひ積極的に参加しましょう。

初めてのことでご不安も多いと思いますが、理事会、あるいは説明会の運営・進行についても経験豊富なヤシマ工業がしっかりサポートしますのでどうぞご安心ください。

第1回目の大規模修繕 Q&A

初めての大規模修繕で右も左もわかりません。まず何から始めればよいでしょうか。
まずは管理組合内の体制を整えることからスタートしましょう。理事会が中心となって工事を進めるマンションが多いですが、修繕委員会のような専門チームを設置する場合もあります。一般的に、理事の任期は1~2年ですが、修繕委員は工事が終わるまで務める場合が多く、工事期間中も一貫した対応ができるため、引継ぎに伴うロスが少なくなります。理事会は通常の組合運営も主導していますので、役割を分けることで負担の軽減にも繋がります。また、1回目の大規模修繕工事の場合は、ほとんどの方が初めてですので、過去に大規模修繕工事の経験がある方や建築関連に明るい方がいれば、参加してもらえないか声をかけてみましょう。
「責任施工方式」「設計監理方式」とは何ですか。
大規模修繕工事の発注形式に関する用語で、工事を進める上でのパートナーとなる相手に違いがあります。「責任施工方式」とは管理組合と施工する会社(パートナー)の2社間で契約をする方式です。対して、「設計監理方式」は発注者と施工する会社とは別に第三者としてコンサルタント(パートナー)が加わります。コンサルタントが工事の設計を行い、施工会社はコンサルタントが作成した設計図書に基づき工事をします。また、工事中はコンサルタントが管理組合に代わり、専門家の視点で工事の監理も行います。
パートナーを決定する際のポイントを教えてください。
大規模修繕工事は準備の段階から専門的な内容が多いので、管理組合の皆様だけで動くのは大変難しい側面があります。その際、管理組合の良き相談相手でありアドバイザーとなってくれるのがパートナーの存在です。代表的なところでは、管理会社やコンサルタント(設計事務所など)、ヤシマ工業のような工事会社があげられます。管理組合と一緒に工事を進めるという意味では、自分たちが信頼して任せられるかという点か一番大切ですが、業態ごと、会社ごとに特色もあります。パートナー選びは大規模修繕工事における大切なポイントですので、協議を重ね、慎重に検討しましょう。
大規模修繕工事に入るまでの一般的な流れを教えてください。
まずは管理組合の体制を整え、パートナーをどこにするのかを決めましょう。その上で、次に実施するのは建物調査診断です。建物の現状を確認する目的で、大規模修繕計画時期の1~2年前くらいに実施します。この調査結果を受けて、大規模修繕の工事内容の検討に入ります。工事の内容が決まったら、施工会社から見積りの取得、施工会社の決定を経て工事に入ります。施工会社を決定する際は、通常複数の会社から相見積を取るのが一般的です。
大規模修繕工事ではどんな工事を行いますか。
代表的なところでは外壁の塗装工事・タイル補修工事、屋上やバルコニーなどの防水工事、シーリング工事、鉄部の塗装工事などがあげられます。築年数がまだ浅い第1回目の大規模修繕工事では、深刻な劣化が発生していることはまれですので、基本的な内容を中心に工事を行います。ただし、構造に起因する劣化は建物の弱点となりますので、改良や再発防止策を実施しましょう。工事期間中は建物の周囲に足場が建ちます。作業員や車両の出入りも増えますので、注意事項を守り安全に気を付けてお過ごしください。

建物を守り続けて二百年

ヤシマ工業株式会社