取締役 工事副本部長 兼 CS事業推進部 部長
小山 良太
大規模修繕工事後のお客様担当として、次の大規模修繕を迎えるまでの定期点検や小規模修繕工事の提案を担っているのが、アフターサポート部門です。
通常、大規模修繕工事は約12年周期で行いますが、その間にも大規模修繕から除外された箇所の塗装や防水工事などの部分的な修繕を行うことがあります。定期点検でマンションの状態を詳細に把握しながら、適切なタイミングでこうした小規模修繕工事を提案していくのも私たちの大切な仕事の1つです。
アフターサポート部門は、2回目や3回目の大規模修繕を望まれるお客様が多くなってきたことを理由に、約10年前に工事部門から派生する形で誕生しました。社内では「CS事業推進部」の名を冠しており、お客様の住まいと暮らしを未来に向かってサポートしていくという想いが込められています。「お客様に寄り添っていく」という当社の姿勢を全うするために必要不可欠な部署でもあるのです。
定期点検を確実に行っていくことに加え、地震や台風などの災害で何かあった時に即対応するというのも心掛けている点です。また、理事会や、時には管理組合のイベントなどにも参加させていただき、点検時以外にも住人の皆様と対話する機会を意識的に設けています。
なぜなら、建物を守るだけでなく、管理組合のコミュニティを守っていくことも私たちの使命だと考えているからです。
実際にご高齢の方も多い管理組合では、「今後どう運営していけばいいのか?」というご相談も多く寄せられています。だからこそ、未来を見据えた修繕工事の提案はもちろん、管理組合の未来を共に考え、マンションの住人全体で「建物を長持ちさせよう」という空気づくりにもしっかり取り組んでいきたいと思います。
その結果、将来にわたる修繕工事はもちろんのこと、困難といわれる合意形成や管理組合の運営も、すべてがうまく回っていくと考えています。
修繕業界ではどうしても、大規模修繕工事など、今行っている工事ばかりに目が向けられますが、お客様と住まいの未来に寄り添うという意味では、実は工事が終わってからが末永いお付き合いの始まりでもあります。
私自身も、長期的な視点でマンション修繕を考えられるようになったのは、かつて現場代理人として担当したマンションをCS事業部に異動してから再び担当した経験が大きいかもしれません。管理組合の皆様が当時の私のことをしっかり覚えていて下さったことを嬉しく思う一方で、もっと頑張られなければと身が引き締まる思いでした。
現在は住人の方の平均年齢も60代を迎え、約50世帯が暮らす集合団地のアフターサポートの真っ最中です。数年後に控える大規模修繕に向けて、建物のバリアフリー化や防犯対策としてのエントランスのオートロック化などを提案しています。
「皆様のこれからの暮らしを安心で快適なものにするために、一体何が必要なのだろうか」。お客様の声にしっかりと耳を傾けながら、適切な内容とタイミングの修繕プランを考え、より良い住まいづくりを実現していきたい、それが私の願いです。