◇今回ご紹介する、大和中央パーク・ホームズ様の概要は以下の通りです。
建物名:大和中央パーク・ホームズ
住所 :神奈川県大和市中央4丁目4-26
竣工 :1999年
階数 :地上14階、地下1階
総戸数:62戸
構造 :SRC
仕上げ:タイル
築25年を迎えた大和中央パーク・ホームズでは、先頃2回目の大規模修繕工事が完了しました。当マンションでは、1回目の大規模修繕は管理会社へ委託。2回目となる今回の工事では「責任施工方式」を選択し、ヤシマ工業にご発注をいただきました。
今回は、2回目の大規模修繕を率いた、修繕委員の安森様と椙山様にインタビューをさせていただきました。
業者選定のプロセスや、数多くの業者の中からヤシマ工業を選んでいただいた理由、工事の感想などについて詳しくご紹介します。
ーー1回目の大規模修繕は「管理会社元請方式」を採用していたかと思います。お二人が修繕委員になる前だと思いますが、何か印象に残っていることはありますか?
安森様:私はマンションが建った直後に入居しましたので、1回目の大規模修繕の際も、ここに住んでいました。ただ正直な話、1回目の大規模修繕当時は何の関心もありませんでした……。私と同様に、住民の大半は「我々には関係ない」という感じで「無関心」だったと思います。どんな工事をしているのかすら、把握していませんでした。
椙山様:私はここに住み始めて、今年の5月で6年を迎えるところで、前回はまだ住んでおりませんでした。
ーーお二人が、修繕委員会になった経緯は?
安森様:当マンションでは「1年毎に理事が変わることで、継続審議や合意形成が難しい」というデメリットを補うため、過去の理事経験者がアドバイザーとなる「アドバイザー制度」を設けています。私もアドバイザーに選任され、6年間就任しておりまして、その流れで修繕委員にも任命されました。修繕委員会は3年くらい前から動き出しました。
椙山様:私は大規模修繕の実施有無を決める前年度の理事長でして、理事長を降りるタイミングでそのまま修繕委員の役割を引き受けました。修繕委員は5名で「委員長」という役割は置かず、全員で考える方式をとっていましたが、安森さんが中心となって進めてくださいました。
ーー修繕委員になった直後は、どんな想いがありましたか?
安森様:修繕委員になるまで、大規模修繕を意識せずに過ごしていましたので、全くの素人でした。ただ、引き受けるからには責任がありますし、役目を果たさなければいけない。「大規模修繕って一体どんなことをやるんだろうか?」とインターネットで検索をしたり、本を読んだりしながら、大まかな知識を得ました。自分なりに勉強をして一番最初に浮かんだのは、コスト面の心配です。マンションで今後の管理費のシミュレーションを済ませていましたが、機械式駐車場、給排水管、エレベーターの故障などで、いつ出費が必要になるか分からない。大規模修繕で想定外の出費が生まれなければいいなと思いました。
椙山様:私は前職で、大規模修繕の融資事業を担当していましたので、2回目の大規模修繕の相場は大体把握しており、コスト面はあまり心配していませんでした。それよりもとにかく、組合員の皆さん・住民の皆さんが、気持ちよく工事期間を過ごせるようにしたいと考えていました。
ーー2回目の大規模修繕はどのように進めたのでしょうか?
椙山様:1回目の大規模修繕と同様に「管理会社元請方式」を採用するという手段もありましたが、管理会社のご担当者(当時の)が「管理会社元請方式は、施工会社との直接の取引と比べれば、必ず高くなる」とはっきりと言ってくださったので、今回は「責任施工方式」で進めようと意思決定ができました。
安森様:修繕委員会では「責任施工方式」を前提として、まず業者選定に取り組みました。インターネットで調べただけの業者も含め、最初は8社くらいをピックアップ。そこから4社に絞り込み、プレゼンを依頼しました。
ーー業者をどのように絞り込んでいったのでしょうか?
椙山様:組合員の中には「とにかく安く仕上げるのが一番」という意見もありましたが、我々はとにかく良い工事を優先したいと考えていましたので、安ければ良いという選定基準は設けませんでした。修繕委員会での「安かろう・悪かろうの業者は除く」という合意のもと、高すぎる業者と安すぎる業者はリストから除外していきました。我々は素人で作業内容やクオリティでの比較は難しいため、過去の実績、会社規模・資本金・社員数などの情報をリスト化して、誰がみても問題ないと思える4社に候補を絞り込みました。そこからプレゼンを経て、最終的に2社を選びました。
安森様:最終プレゼンには、管理組合の方とアドバイザー経験者にもご参加いただき、10名で投票して決定しました。そして最終投票は、10対0でヤシマ工業さんに決まりました。
ーーヤシマ工業を選んでいただいた理由について、個人的な評価のポイントを教えてください。
安森様:最終選考に残っていたもう1社は、大規模修繕の3年くらい前から事前調査に来てもらっており、かなり綿密な調査結果もいただいていました。そのデータは、大規模修繕をはかる理事会の打合せなど、検討のベースとしてもずっと活用していましたので、もしかしたらその会社さんで決まるかと内心思っていたのですが、最終プレゼンでのご提案内容や熱意は、ヤシマ工業さんが上回っていました。9回の裏、逆転満塁ホームランです。
椙山様:もう1社は「これとこれをやる」と決まっている、オーソドックスなご提案でした。御社の場合はオーソドックスなパターンもありながら、「ここは削ってもいいのではないか」「この工法でやれば、こうなる」などと、大胆なパターンも提案してくださった。それが、新たな提案として「我々のマンションのことを考えてくれている!」と感じられ、皆さんの心に刺さったのかと思います。
安森様:私は各社の事前診断にも立ち会っていたのですが、ヤシマ工業さんは下請け業者さんも含めて大勢で来られて、屋上まで上がってチェックしたり、赤外線カメラを持ってきて撮影したり。他社と比較して調査が徹底しており、熱意が感じられました。私の中では、そこで信頼度がグッと高まりましたね。
ーーヤシマ工業による大規模修繕を終えた今、工事の感想はありますか?
安森様:大変満足しています。個人的に一番凄いと感じたのは、居住者の立場に立って行動してくださったこと。
「工事のときに、私たちの意見を聞いてもらえる」というのは、今回の工事を通じて、住民の皆さんから非常に好感を持たれた点だと思います。工事中には、掲示板で工事の進捗や工事内容を告知する以外にも、各室のポストにお知らせ用紙を30回くらい入れてくださり「〇日に××の工事をやります。必要であれば、こちらにご意見をください」などと通知してくださいました。実際に、何か意見を伝えるとすぐに対応してくれたという声が多数届いています。また他にも、一人のお年寄りが「腰が痛いので、網戸を外せと言われても難しい。どうしよう」と悩んでいたところ、工事の方が全部外してくれて、取り付けるまで全部やってくれてありがたかったという話も聞きました。
工事期間中、住民サイドに立った対応をしてくださり、とても感謝しています。住民とのコミュニケーションに気遣いが溢れていたという声を複数の皆さんから聞いて、ヤシマ工業さんを選択した我々としても、決断に間違いはなかったと実感できました。
椙山様:工事自体も、とても丁寧に進めていただき、満足しています。例えば「印が付いているのに、終わっていないな」と気になっていた壁があったのですが、気が付いたら終わっていました。また、廊下の通路の白い壁面に、気になるシミがあったのですが、気が付くと綺麗になっていました。細部まで気を配り、完璧にチェックをして仕上げてくださったことが分かります。
ーーでは最後に、これから責任施工を考えている管理組合様へアドバイスをお願いします。
安森様:一番最初のハードルは、会社選定ですね。事前に情報を収集し、修繕委員会で「このような会社はやめよう」などと意見交換しながら、8社〜10社に絞っていく。最初にどういう会社を選んでいくか。ここが大事なポイントですね。
椙山様:大規模修繕を決定する理事会が苦労するのは、組合員の合意を得られるかどうかという点。「ここに決めました」と報告するだけでは合意形成が難しいので、選定に至るまでのプロセスを示すことが大切です。そのためには、我々のようなプレゼンのコンペもひとつの手だと思います。
また施工業者を最終決定する上で重要な指標となるのは「会社としての姿勢」と「営業担当者の熱意」なのかと私は思います。細かい工事の仕方は、正直、素人にはわからない。「この工事がベスト」と言われても、本当にベストかどうかは判断ができません。だからこそ、この会社の、この担当者さんが「ベスト」というならベストなのだと納得できるような、信頼できる会社を選ぶべきですね。会社の姿と営業の両方を見て、判断することをおすすめします。
ーー本日は、本当にありがとうございました。この先も責任を持ってサポートさせていただきます。引き続きよろしくお願いいたします。