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修繕工事とは建物を可能な限り新築の状態まで回復し、さらに機能や価値の向上を目指す工事を指します。
大規模修繕工事の中でも中心となる工事です。
「共通仮設」とは工事における仮設の設備全般を指します。作業員用の「仮設事務所」や「資材置き場」、「仮設トイレ」、「お知らせ掲示板」などが該当します。「お知らせ掲示板」は、工事の進捗状況や洗濯物に関する情報を掲示するなど、施工会社と住人の皆様を繋ぐコミュニケーションの場として大切な役割を果たします。いずれも工事終了後は撤去してしまいますが、工事を安全かつ円滑に進めるためには欠かせない設備となります。
「足場」は、作業員にとって床や通路の役割を果たします。安定した床があるからこそ、作業員は力仕事や緻密な補修作業を正確に行うことができるのです。工事終了後は撤去されてしまう設備ですが、作業員の安全を守り、高品質な工事をお届けするためには欠かせない大切な役割を担っています。また、足場周辺を覆うメッシュシートには、塗料やほこりなどが外部に拡散することを防ぐ役割があります。
「下地補修工事」は、壁や天井などコンクリート躯体部分に発生した「ひび割れ」等の劣化箇所を補修する工事です。
まずは技術者が「目視・打診調査」で下地の状態を確認し、建物の構造的な特長も把握しながら最適な工法を選定します。その後は各症状に合わせ丁寧に補修していきます。
下地補修の良否は、後の仕上げ工程の精度にも大きく関わり、竣工時にどんなに綺麗に仕上げても、下地補修が良くないと「症状がすぐ再発する」といったことにもなりかねません。これでは大規模修繕工事の目的を果たせないだけでなく、建物の耐久性や寿命にも大きな影響を与えてしまいます。そのため状態の見極めと対応には、改修に関するあらゆる知識と経験を駆使して対応します。
タイルは耐久性が高く、高級感があることから多くの建物に使用されていますが、経年に伴いタイルの浮きやひび割れなどが発生します。また、剥落した場合は人的・物的な被害に繋がることもあり、建物の所有者は10~13年を目安に適切なメンテナンスを行いながら建物を健全に維持する必要があります。
補修工事では熟練した技術者がタイルの全面打診で劣化状況を見極め、工法を選定します。現状タイルの在庫がある場合はそちらを使用しますが、枚数が十分でない場合は、色、柄、質感を再現させた近似タイルを焼成するか、市販品で対応します。
色むらの発生を極力避けるには、近似タイルの見本サンプルを焼成し、色、柄、質感、目地色などについてよく確認し、現状タイルとの比較検討を行うことをお勧めします。
シーリング工事とは外壁のつなぎ目や、サッシ枠と壁とのつなぎ目などを、ゴム状のシーリング材で埋める工事です。このシーリング材には、機密性を高めるといった役割がありますが、劣化すると外壁への雨水の侵入やひび割れの原因に繋がります。
耐用年数は紫外線や雨の量など使用場所によっても前後しますが、10~15年程度経つと硬く痩せてきます。シーリング工事には足場が必要になるため、大規模修繕時に打ち替えをした方がより経済的です。
外壁塗装工事ではまず状態を把握するため、塗料と下地の接着力=付着強度の確認を行います。一定以上の付着強度がある場合には上から塗料を重ねますが、付着力が弱い場合には剥がれ落ちる危険を避けるため、現状の塗料を除去してから新たに塗装をし直します。
また、塗料が十分に効果を発揮するためには適切な量を均一に塗布することが大切です。塗料を使用する前後での缶の重量計測や、空き缶の数量検査などを行い、仕様書通りの量が適切に塗布されているかをチェックします。
外壁塗装には、建物の美観を保つと同時に、雨水や汚れ等から建物を守るという重要な役割があります。一般的な補修時期は10~13年程度ですが、近年は塗料も進歩しました。耐久性や防汚効果に優れた製品を用いることで、次回の塗り替えまで建物を美しく保ち、修繕までの周期を延ばすことも可能になってきています。
鉄製の扉や階段、手すり、消火栓ボックスの「錆(さび)」は、日光や風雨などにより塗料の保護機能が弱まることで発生します。錆による腐食が進むと、例えば手すりが根元から折れてしまうなど危険な状態を招くため、定期的な塗装工事が必要となります。
鉄部塗装工事は、通常、ケレン、下塗り(錆止め)・中塗り・上塗りの4工程で行います。特に重要なのがケレンと呼ばれる錆落としです。鉄部と塗装の密着度を高め、耐久性を上げるための大切な工程で、この作業が甘いと、数年経たずに塗装が剥がれ、錆が発生するといった不具合に繋がります。続けて、下塗り、中塗り、上塗りと塗装を何度も重ねることで下地をしっかり保護することができます。
なお、塗装工事の目安は、5~6年に一度とされていますが、塗装につやが無くなり、チョークのような粉がつく状態(チョーキング現象)や、錆や剥がれが生じたら塗り替えを検討します。素材の鉄を長持ちさせるためには「錆びる前の工事」をお薦めしています。
建物の内部に水が入ると、コンクリートや鉄筋などの構造部へのダメージ、居室内への染み出しなど、様々なトラブルを引き起こし建物そのものの寿命を縮めてしまいます。
そのため、防水工事は修繕項目の中でも特に重要とされていますが、中でも屋上は常に直射日光や雨風にさらされさる過酷な環境にあるため注意が必要です。防水層にふくれ、破れ、しわ、磨耗などの他、排水溝周りのひびや汚れ、雑草や苔が繁殖しているなどの症状が見られたら手入れが必要なサインです。改修の目安は10~13年程度になります。
補修方法には、大きく分けて、防水層をすべて張り替える「撤去工法」と、既存の防水層の劣化部分を補修し、その上から新しい防水層を施工する「かぶせ工法」があります。
代表的な材料として「アスファルト防水」「シート防水」「塗膜防水」などがありますが、近年はメンテナンス費用を抑えるために、超寿命材料が採用される場合もあり、既存の防水層の状態や使用材料との相性、耐久性、工法の特性などを考慮して、最適な材料と工法を提案します。
築年数がある程度経ったマンションでは、新築時にバルコニーや開放廊下、外階段の床がモルタル仕上げとなっており、最低限の防水処理しかしていないケースも見られます。
しかし、こうした場所も雨がかかりやすい場所であることに変わりなく、経年と共に発生したひび割れなどから雨水が侵入し、やがて階下への染み出しや構造部分へのダメージを引き起こします。こうした場合は影響を最小限に抑えるためにも、早急に状態の確認と防水工事の実施が必要です。
また、ウレタンやシート防水処理がされているマンションでも10~12年程度を目安にメンテナンスを実施し、しっかりと機能を維持しましょう。またバルコニーの施工には足場が必要になりますので、大規模修繕工事のタイミングで一緒に施工をした方が経済的です。