築年別マンション修繕方法/3回目のポイント

その1

次の30年に向けた
総合リニューアル

●築30年目の大きな転機

築30年を超えると、あちこちに経年に伴う深刻な劣化が現れます。この時期の大規模修繕は劣化箇所の機能回復に加え、「給排水管」「サッシ」「玄関ドア」「電気関係などの設備全般」が更新の時期を迎えることもあり、建物にとっても大きな節目と言えます。

また、高齢の方がお住まいになるマンションも多いため、「バリアフリー対策」や、「空き室を作らないための魅力づくり」も大切な検討項目となります。時代に合わせた「生活設備」の導入などは資産価値の向上にもつながります。

●建物を総合的に見直し、価値を引き出す

ヤシマ工業でも、築30年、あるいは40年を超える建物の大規模修繕工事を数多くお手伝いしてきましたが、この年代になると「建物本体の補修」や「設備の更新」に加え、「機能面の向上」「資金面」など解決すべき課題が多岐にわたります。

そのため、大規模修繕のパートナーには建物の機能回復だけではなく、建物を総合的に見直し、価値を引き出す修繕プランをしっかり提案できるだけの知識や技術力が必要です。一旦、総合リニューアルを行えば、さらに先の30年まで維持の見通しが立つことになるでしょう。

ヤシマ工業がビル・マンションの総合改修事業をスタートした1970年代は「大規模修繕」という言葉自体、世に認知がされていない時代でした。マンションが一般にようやく普及した頃から、ヤシマ工業は様々な建物に寄り添い、築年数を重ねる中で発生した課題に解決策を提案し、建物の寿命を引き出し、価値を再生するお手伝いをしてきました。

総合改修一筋40年の経験で培った知識と技術力を駆使し、この大切な時期に皆様の理想を実現し、将来への道筋をしっかり作っていけるようサポートします。

その2

命を守る耐震補強工事

●生命と資産価値を守るために

1981年6月を境に、それ以前の耐震基準を「旧耐震」、それ以後を「新耐震」と呼び区別しています。「耐震改修は費用が高い」というイメージがあり、資金面、合意形成の面から難しいとお考えの方も多いですが、何より居住者の命と生活を守るための工事であり、加えて近年の大きな震災を受け、この「新耐震基準を満たしているか」は資産価値を図る上でも大きく影響をするようになりました。

●建物に関わるすべてをワンストップでご提案

近年は、国や自治体が助成金を用意している場合もあります。ヤシマ工業は耐震化に関するコンサルティングはもちろん、耐震診断や耐震補強工事、大規模修繕、アスベスト処理に至るまで、建物に関わることすべてをワンストップでご提案することが可能です。

また、合意形成や資金面の運用支援、助成金の申請代行といったソフト面でのサポートも実施します。諦める前に、必ず専門家の意見も仰ぎ、実行可能な方法はないか検討をしてみましょう。

その3

建物の将来を考える

●建て替えか?それとも・・・

建物の将来を考えた際、住人の皆様の中には建て替えを意識する方もいらっしゃいますので、十分な総意の形成が必要となるタイミングとも言えます。「本当に建て替えるのか」それとも「改修を重ね、さらに先を目指すのか」、自分達のマンションの目指す方向について、しっかり協議しましょう。

これにより、今後の修繕の計画や方向性も変わってきます。マンション内に詳しい方がいない場合は、計画の段階から専門家に関わってもらい、アドバイスを受けて進めていくことをお勧めします。

●長期修繕計画のチェックが資産価値に影響する

長期修繕計画についても必ず点検し、収支の状況も含め、実現可能な内容かどうかしっかり検討しましょう。積立金や管理の状況は資産価値にも直結します。

逆に、築年数を経ても管理組合様がしっかり機能し、こうしたソフト面の管理ができていることは大きな強みになります。良い管理が良い人を呼び、資産価値にも相乗効果を生みます。

築年数が経ったマンションでは、資産価値を維持するためにどう工夫をしていくかという視点も大切な運営のポイントになります。ヤシマ工業でもこうした考え方を非常に大切にしており、管理組合様のサポートを行っております。

第3回目の大規模修繕 Q&A

第3回目の大規模修繕工事で費用が大きく膨らむのはなぜですか。
これはマンションに使用されている様々な材料や設備が交換の時期を迎えるためです。例えば、建物を保護している外壁の塗膜も、第1、2回目のタイミングでは、上から塗料を塗り重ね、機能を補うことで性能を維持できる場合が多くあります。しかし、塗り重ねることで重量が増し、剥落の危険もでてきますので、第3、4回目の工事を迎える頃には新築時からの塗膜の層を全て剥し、塗りなおす大掛かりな工事が必要になります。また、給排水管、電気をはじめとする設備関係、サッシや玄関ドアなどの建具なども交換の時期を迎えます。こうした工事加え、機能改良やバリアフリー化の要望、資金面など色々な課題も出てくるタイミングでもありますので、実施時期や費用の準備、工事内容の精査など、準備には専門家のアドバイスも受けながら十分に協議を重ね、準備をすすめることが大切です。
耐震補強工事は実施した方がいいですか。
大きな地震が続く昨今、建物の耐震性は安全面からの必要性もちろん、資産価値を図る上でも重要な判断材料となっています。建物を今後も長く使っていくことをお考えであれば、検討していただくことをおすすめします。費用の問題や合意形成ができず実施を諦めたというお話も伺うことがありますが、工法の選択や補助金の活用などでまた違う可能性が見えてくることもあります。まずはご相談ください。
給排水管の工事ではどのような内容を実施しますか。
給排水管の工事には大きく分けて「更生工事」と「更新工事」があります。「更生工事」は管内部の汚れを取り除き、保護塗装をすることで管の寿命を延ばす工事です。「更新工事」では管そのものを交換します。まずは状態を確認することが前提ですが、築40年を超えるような建物では、管そのものが寿命を迎え、更生工事では対応が難しい場合もあります。漏水などが発生すると、居住者の不便はもちろん、建物にもダメージを与えますので検討したい項目です。工事実施時期までにまだ時間がある場合は、きちんと長期修繕計画に給排水管の工事が組み込まれているか確認し、費用の準備をしましょう。
積立金があまり貯まっておらず、工事ができるか心配です。
まずは建物の維持に不可欠な工事、または寿命に関わるような緊急性の高い工事から優先的に予算を充てましょう。先に延ばせる工事に関しては、次の工事まで機能を維持するための処置に留め、予算が溜まってから実施するのも一つの案です。または、予算が貯まるまで工事自体を少し先に延ばす、融資を受けるといった方法で対応されている管理組合様もいらっしゃいます。ただし、これらの対応は積立金が予算に足りないことの根本的解決ではありませんので、あくまでも緊急的な対応とお考えください。将来を考えた際、修繕積立金の額自体が現状と乖離してしまっている場合には、マンション管理士等の専門家に相談し、対策を検討していただくことをおすすめします。

建物を守り続けて二百年

ヤシマ工業株式会社